北の大地ではじめたこと

苫小牧に来てから、はじめて、家から一人で札幌へでかけました。



電車は1時間に1本。
これを逃しては大変、と余裕を持って駅までの道を30分と見積もって家を出たのに…
駅が予想以上に遠く、途中から競歩の選手のような速さで歩きました。。
駅に着いた時には、もうおでこに汗がにじむほど。



沼ノ端は、いわゆる無人駅というやつで、入場の仕方がいまいちわからない。
とりあえず、改札をスルーして中に入ります。
同じ駅から乗る人もほどんどいないのでまねっこもできないのです。



発券所は1000円札しかつかえない!
競歩してまで来たので、1000円札を持っていた自分を幸運に思いました。。



電車にゆられること1時間、いよいよ札幌到着です。



目的は、6月の友人との旅で出会ったギャラリーivoryさんを再び訪問すること。
友人の背中を押してくれた一言で、つながったご縁をたぐりよせて、
ギャラリーの方に会いに来たのです。



ivoryさんは、北海道出身の作家さんの作品を置くセレクトショップ兼ギャラリー的なお店です。
ほんわかやさしい雰囲気の陶芸作家さんの作品や、力強いフォルムのガラス器を作るガラス作家さん、
絵や皮細工などいろいろな方の活動を紹介し、応援してくれています。



「ことりっぷ札幌」に載っていて、雑貨好きの私はどうしても行きたくなって、
わがままを言って旅の最後に連れて行ってもらったら、
そこで、思いのほか話が弾み、私がその日つけていたアクセサリーが自分で作ったものだと
友人が営業トークをしてくれたのでした。


久しぶりにお会いしたギャラリーのマネージャーの方は、相変わらずひまわりのような、
明るくて豪快な感じで、とてもほっとしました。
そして、作品とも私ともじっくり向き合ってくださった姿勢に、あらためてご縁を感じました。


「今、していることが、たとえ自分の最終目標と違くても、
その今していることができないと、次には進めない。
今は、その先につながっていて、今していることを一生懸命やるって
すごく大事なこと。」


家庭もあって、子育てもしながら「やりたいこと」をかたちにしてきた彼女の言葉は、
新しい土地で漠然とした不安やら不満を抱えていた私には、一つの啓示のように思えました。


私が思っている、みんなが自分らしく生きること、
そういう気持ちを取り戻す場所やものを作っていくという夢が、
今している作品づくりとちゃんと結び付いているか不安な時もあるし、
主婦でいてできることって何だろうか、とか、
結局は、普通に家計の足しになるバイトをした方が、意味があるんじゃないのかとか、
ぐるぐるしてた頭の中のことを、
一旦、落ち着いて考え直すことができるきっかけを与えられた、という感じです。



ivoryさんで、作品を発表して、つくることをもう一度見つめなおそうと思います。
作った先にある顔、ある気持ちが見えてくる気がするから、それをちゃんと見届けて、
それでも迷うならきっとほかのことをすべきだし、次のステージに行けるという気がします。


こちらにきてから、天気こそ曇りの日が多いものの、空気の透明感、植物のみずみずしさに触れて、
なんだか、そんな光の粒のようなものが作品にもまぜこめたら、幸い。