飛行機に乗って

あさってから、9日間ほど、日本を離れます。

7年ぶりのヨーロッパへ。



もうたぶん話せなくなっているフランス語を、仕事の合間にちょこちょこ練習し、

電車の乗り継ぎ方やら、蚤の市の曜日と時間、まちのおいしいもの屋さんを調べて、

すでに現地へ行ったような気になっています。


今回は、はじめて、オランダにも。

グラフィック、建築、インテリア、様々な分野のデザインが、とても自然にそこにある、

そんなまちのようです。




昨日は、ゆがみの2人と新しい絵本の打ち合わせ、

そして、近々、京都の友人たちとの本作りがはじまりそうな予感。




みんなでなにかをつくるとき、私は「絵を描く」、「写真を撮る」ということで

参加するようになって、

まだまだ、どれもかたちになっていないけれど、

自分のものをつくるキャパも、クオリティも、もっともっと上げていきたい。




描いてみて描けなかったからこそ、わかることがあって、
撮ってみて撮れなかったからこそ、わかることがある。



今まで一人でやっているときは、そういうプロセスを経ずに、描けないものはやらない、

どこかで、自分のできること以外、やらない、っていう線を知らず知らず引いていた気がして、

でも、仲間ができて、みんなが思い描くイメージに近づけたくて、じたばたする感じ。

苦しいけど、みんなと一緒に作るからこそ、じたばたじたばたして、

なんとか、みんなと同じ世界へ踏み出す感じ、そういうのって、すごくいいなと思うようになりました。




旅から帰ったら、すぐに8月のグループ展の打ち合わせがあり、熱く、忙しい夏になりそうです。

でも、こういう忙しさを求めていたのだと思います。

特に、この1年、引っ越して環境の変化が激しく、自分のやりたいことって何だろう、どこへ向かっているんだろう、

そればかり気になるのに、どこにも自分の軸を定められないような苛立ちや不安があって、

それは、今もすぐに消えてなくなったわけでは全然ないけれど、

一緒にものをつくる仲間とのつながりが、つくることの楽しさとか、自分の色を思い出させてくれました。

そういう時間を今は一番大切にしたい。

そこで生まれてくるものを、みんなで受け止めて、育てていきたいです。

夕暮れ時のベランダにクチナシの花  うたの話

ちょこちょことした所用を済ませ、おでかけをしました。

雨続きのこの頃は、晴れると、とにかく洗濯物を干しては、でかけます。



手仕事の温もりを大切にした雑貨が所せましと並び、

ものづくりのアイディアがもくもくとわいてくるようなお店、

「木木」さんに立ち寄り、今月末からの旅の話や夏の作品展のお話をした後、

素敵な糸を買いました。

さわやかなブルーと白が紡がれた糸、赤や黄色がミックスされた糸などなど、

ラッピングや文具づくりに使いたいなと思っています。



そして、帰り道。

ふと、白い花とこんもりとした緑が目に留まりました。

クチナシの木です。

実家のさざんかの垣根に、うもれるようにして咲いていたクチナシを思い出しました。

顔を近づけるまでもなく、ふわーっといい香りがします。


そういえば、おばあちゃんちでは、よく部屋の片隅に活けて、香りを楽しんでいたような。


小さなクチナシの鉢植えから、次々と子供のころの風景が思い出され、

気がついた時には手に持ってお土産にしていました。


夕暮れ時のベランダにしゃがんで、素焼きの鉢に植え替えました。

つぼみがたくさんついているから、

これから洗濯物を干すたびに、クチナシの香りが楽しめると思うと、

うれしくて、お水をたっぷりあげて、いつまでも眺めていたい気持ちになりました。



それから、もう一つ、うれしいこと。

歌うたいの友達、Mちゃんのために、先日イヤリングをつくりました。


彼女の自然体で透明感のある人柄や歌をイメージしてつくったものです。

「やわらかな場所」という彼女の曲が好きで、

そのメロディーをなぞるように聴きながら、くちずさみながら、手を動かして、

一つのかたちになりました。

ようやくお届けすることができたら、すぐに彼女がつけてくれたのでした。


Mちゃんのblog↓
http://d.hatena.ne.jp/chikako-m/


今、また聴いています。

なかなか素直になれなくてケンカばかりしていた頃とか、

お休みの日にリビングの日だまりでほのぼのする時間とか、

大切な人との思い出も日々の暮らしもやさしく包み込むような歌で、好きなのです。


またライブ情報などあればお知らせしていきます。

いくつかの坂道をぬけて 「fudoki」さん到着

今日もくもり、そして時折雨がしとしと降りました。



けれども、今日はどうしても行ってみたい場所があり、

雨が弱いうちにと、久しぶりに自転車を車庫から出して、

細い坂道をのぼったり、おりたり。



目的地は、「fudoki」さんという、近所の古道具屋さん。



少し自転車でとなりまちまで走るだけで、こんなにも違う景色に出会うとは。

坂道の途中、畑や雑木林がたくさんあり、夏に向けて植物たちがモリモリと育っていました。

雨の前のにおい、緑や土のふかい甘いかおりが、子供のころの懐かしい景色を思い出させます。



途中、曲がるところを間違えて、なかなかたどり着けずにいましたが、

店主の方にお電話をし、親切な交番の方にも助けられ、午後に無事到着。







アメリカやヨーロッパの古道具が並びます。

どのディスプレイも、ものへの愛着が感じられて、

さりげない組み合わせがとても趣があります。


ぽってりと厚めの白い器たち。

和物にも通じるシンプルで潔いかたちが美しいです。



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空間のつくりが面白くて、入りくんだ小部屋がいくつもあり、

それぞれが小さなギャラリーのようです。



頭の少し上に、横長の窓があって、そこからの光が、とても気持ちがいい。




作品展示用に、小さなアイアンのフライパンのようなものを買い、

店主の方と引っ越しや旅や写真のお話をして、

本当に、どこか遠くの町へ旅したような、軽やかな気持ちで帰宅しました。



fudoki

営業日:木・金・土曜日
住所 :〒245-0003
    横浜市泉区岡津町2254
TEL :045-813-7687
HP : http://www2.tbb.t-com.ne.jp/fudoki/



もっと美しく暮らすことについて、

自分の好きなものの選び方について、

作品の見せ方について、

写真について、

たくさん勉強することがある、そんな刺激を受けた一日でした。


また伺おうと思います。




古いものが持つ、独特の存在感になじむようなものを作りたい、そんな思いを強く持ちました。

niccori vol.5

zinepicnic、間に合いそうです。

2011年夏の作品集、niccori vol.5ができあがりました。




今回は、ちょっと変わった作りになっていて、それは見てのお楽しみ。


夏のものたち
あの日のあと、みんなの朝
いろとかたちと


3つの記事が入っています。
夏の作品の紹介、
代々木公園で写真や音楽の話をする友達がたくさんできた日の思い出、
いろとかたちをつむぐリズム、、
そういったものを、短い言葉で、A6サイズのniccoriにおさまるように、
まとめた本です。


恐縮ながら、vol.5は1部300円。
いつもフリーペーパーでしたが、
今回は、Sourianteという屋号で作り始めて、
約3年の月日が流れ、その記念にzinepicnicで発表する作品集、
ということで、値段をつけて販売することにしました。


相変わらず、1冊ずつ手作業で綴じているので、数は少ないのですが、
手にとって見ていただけたら嬉しいです。




今日は1日中曇っていたけれど、
パスポートの訂正申請をしに、関内へ出て、
山下公園の小さなケータリングのカフェLotusで気持ちよくご飯を食べ、
友人に借りている「私は夢中で夢をみた」という、
奈良の雑貨店兼カフェ、くるみの木のオーナーさんの本を読み、
カフェ気分に浸りながら、久しぶりに、ヨーグルトケーキを焼きました。
いつもリンゴとラム酒だけれど、今日はバナナとメープルシロップを練りこみました。


優しい気持ちで焼いたケーキは、優しい味がする。
ものをつくるときも、心が色やかたちを決める気がします。



夏のものたち

ようやく、夏の作品が仕上がってきました。









海、風、木々、光、、そういう自然のリズムが、
夏はとくに美しく感じられる気がして、
届きもしないのに、
手を伸ばしてつかもうと、してしまうのです。



夏のきらきらとした時間が感じられたら幸いです。




6/5のzinepicnicに、作品集を出品する予定。

編集と製本が、ちょっとおいついていないけれど、

まにあわせたいです。

カメラと歩く。 はっと気づく。 

いつも歩く駅までの道。


坂道が足にこたえるなぁ、、とだらだら歩いていたけれど、


ふと、まぶしい方へ顔をあげると、


ツタの若葉にきらきらと光がふっていました。






こういう、はっと気づく、日々の美しさにより気づかせてくれるのが、


重いのに肩から下げているカメラ。


前から、はっと気づくことが好きだった気がするけれど、


もっともっと「はっ」の瞬間がある気がして、カメラ、重いけど、持って歩いてしまう。


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